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設置場所の選定とわなの設置

捕獲場所の選定

くくりわなで効率的に捕獲するためには、獲物が頻繁に通っている獣道を探して、わなの設置場所を決めることが重要です。周辺の餌場、寝山(寝屋)、渡りなどを確認するとともに、足跡や泥すり痕、食痕などの痕跡を見て、新旧や獲物の体サイズ、利用頻度などを見極める技術が必要です。
また、獣道が枝分かれしている場合は、分岐点よりも手前にわなを設置することで、どちらに行く個体も狙うことができます。どうしても枝分かれした道の先にわなを設置せざるを得ない場合は、行かせたくない方の道に障害物を設置して、行動を制限する方法もあります。
なお、くくりわなの設置場所を決める際には、100kgを越える大型の個体が捕まったとしても、十分に支えることのできる根付け木があり、搬出もしやすい場所であることを確認しておくことも重要です。


イノシシが葉につけた泥

ぬた場


わな設置場所の絞り込み

わなは、そこにしか足を置けない場所を選んで設置します。特に、急斜面を横走りする獣道は道幅も狭く、足を置く場所を絞りやすいため、捕獲に適した環境です。坂の降り口も、よく選ばれる設置場所です。
また、シカやイノシシは、障害物を避けて足を運ぶ性質があるため、木の枝や根、石などを避けて歩いた足跡を探して、わなの設置位置を決めるのも有効です。なお、そのような場所がない場合は、人為的にそのような環境を作ります。


イノシシが泥すりをした木の幹

イノシシの寝屋


参考動画(タイトルをクリックください。)
  • わな設置場所の選定
    (宇和島市津島町)
    獣道に覆いかぶさった木を利用し、木をまたいだ先にわなを仕掛けます。

  • 縦引き式わなの設置
    (西予市三瓶町)
    押しバネ式のわなの場合、バネを格納している筒を埋めるため、深さ30㎝程度の縦穴を掘る必要があります。穴は、鉄杭などを打ち込むことで、素早く作ることができます。

  • 横引き式わなの設置
    (内子町)
    横引き式のわなでは、バネを埋めるための穴は浅くて構いませんが、獲物が踏板を深く踏み込んだタイミングでわなが作動するような工夫が必要です。

  • 跳ね上げ式わなの設置
    (西予市三瓶町)
    跳ね上げ式のわなでは、作動時にスムーズにワイヤーが跳ね上げられるように、わなの上や周りの障害物を取り除いておくことが大切です。