被害の実態
愛媛県では、ここ数年、鳥獣による農作物被害が年間4億円程度発生しています。中でも柑橘類への被害は深刻で、全体の約7割を占め、鳥獣別ではイノシシによる被害が約6割を占めています。特に、最近はイノシシの侵入防止のために園地に整備したワイヤーメッシュ柵が破られるなど、被害が悪質化しています。
また、イノシシやシカは、それまで食べていなかったものでも一度味をしめると食べるようになる性質があるため、県内では、それまで食べられなかったゆずや河内晩柑、カボチャや大根にも被害が出始めるなど、被害の多様化が進んでいます。
鳥獣の習性
集落の山際に設置したセンサーカメラには、暗くなると山から集落に侵入するイノシシ、シカなどが写ります。集落に侵入した獣は、集落が安全であることが分かると、舗装された道路でも当たり前のように行き来するようになったり、日中でも餌を求めて出没するようになり、次第に行動が大胆になってきます。
箱わなや囲いわなに設置した捕獲システムの映像では、イノシシが誘引用に設置した農作物に執着している様子や、柑橘類の皮を器用に剥いて食べる様子などが確認されており、農作物への依存度の高さがうかがえます。
※ 各項目は「動画で見る被害と捕獲技術」から抜粋した動画による捕獲技術の解説